「富士山は遠くで見るものでなく、その懐に飛び込むもの」
山麓探偵団 樋口裕峯
ぼっ、ぼっ、ぼくらは山麓探偵団〜♪ |
富士山麓・山中湖で、今、面白い取り組みが進みつつある。喫茶室のマスター、ペンションや雑貨ショップのオーナーなどが、富士山を知りつくそうという取り組みを進めている。その名も「山麓探偵団」。樋口さんはその世話人をしている。 「富士山麓の動植物、地質、歴史のことを地元で良く知っている方を団長にして、昨年は合計10回の探偵活動を繰り広げました。毎回、20名程度の団員が、団長の指示の基、富士山をフィールドに飛び回りました」 実は、山麓探偵団、「富士山麓の自然と文化の再発見」をテーマに、ミニ学習や実地踏査、現地探査などの探偵活動を行う至って真面目なグループ。富士山の秘密を知りたいと思うような少年少女の心を持つ人は、誰でも参加できる。昨年の登録団員は約50名だ。 「感激、びっくりの連続でした。やはり富士山は遠くで見るものでなく、その懐に飛び込むことが大事だと思いました」 富士の懐に飛び込むことによって、富士を自分の一部と感じることができる。そして、そのように感じることが、富士山を守らなければならないという気持ちにつながっていく。守られ続ける富士は、その豊かな懐をこれからも私たちに見せてくれるに違いない。 |
団員レポート(参加者の声) |
------------------------------------------------------- 富士山のグランドキャニオン眺望 平成12年4月8日 団長:米山和男 氏 ------------------------------------------------------- 最初、事務局に「富士山のグランドキャニオンはどこですか」とお尋ねしたところ「それは行ってのお楽しみ」とのご返事。おかげさまで(?)家内と「あーでもないこーでもない」と想像を膨らませ当日を迎えることができました。 案内された渓谷は、それまで想像していた以上のすばらしい景観であり、大変感激してしまいました。 昨年は、家内と二人で富士山麓のあちこちを探索しましたが、土地感がないため地図に道が記入されている所にかぎられていました。今回は、富士山の山麓にこんなスケールの大きい渓谷があることを知ることができ感謝しております。 会社で友人にこの話をしようかと悩ましい心境ですが、場所だけは「ヒミツ」にしておこうかと思っています。 (東京都在住 50代男性) ------------------------------------------------------- 五合目の発見―まぼろしの滝を探して 平成12年6月10日 団長:伊藤浩美 氏 ------------------------------------------------------- (略) 雪どけ水が固い岩場の所だけ染み込ことが出来ずこの時期限って川や滝になる。今回は、初め水の流れすらなかったものが、山の上の方に少し陽が(たぶん)あたった為、偶然”流れはじめ”を発見することができました。 「その流れを目にした時、私の頭の中にはスメタナの”モルダウ”の旋律が流れはじめました」 小さなひとしずくが水たまりとなり、そのたまりがあふれて流れ出し、さらに多くのしずくを集めせせらぎに滝に川になるのを目の当たりにした訳で、感動が胸いっぱいになりました。 ”この時期”に限られているはずなのに、その”川”の岩や石は丸くかどがけずられて、どれだけの年月が流れているのだろう。どれだけの”しずく”がその上を通っていったのだろう。(略) (山中湖在住 30代女性 半年前横浜市から夫婦で移住) |